March 01, 2000
アメリカで歯を治療するとき
私が日本歯科大学の西田紘一先生と共同監修した
「アメリカで歯を治療するとき・福永玲子編著」
が発売になりました。

アメリカの歯科医師が書いた資料を
福永さんが編集した本ですが、
現在、福永さんの住んでいるインディアナ州の
名だたる歯科医師が協力しており、
当然、インディアナ大学出身の私は、
登場している歯科医師はみんな知っているので、
監修していても非常に親密感がありました。
特に、虫歯治療関係のセクションを担当した
カールソン先生には、
私も直接6年間習っていたので、
世界は狭いとしか言いようがありません。
手前味噌ですが、本は大変良く出来ており、
日本人の方でアメリカで暮らしているが、
歯医者さんで使う英語が良くわからない、
という方には必要な1冊であると思います。
なぜ私と西田紘一先生が共同監修者になったのか?
という疑問に対しては、西田先生が「監修にあたって」
という題で寄せた文章に回答を述べられているので紹介します。
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監修にあたって
米国の歯科事情と日本のそれとは、いささか異なるところがあります。
その第1は、専門医制度です。
歯科医学教育のさまざまなレベルで専門医を養成する制度が構築されており、国民がその制度を指示していることがあげられます。
第2に、保険制度です。
自らの責任で払い込み、あらかじめ決められた範囲内でしか給付を受けられない制度は、ある意味では合理的であり、日本とは全く異なる制度です。
第3に、口腔外科における診療の範囲です。
本著の中で、鼻の手術について記載があることで驚かれた読者もおられるかもしれません。ここ15年ほどの間に Oral & Maxillofacial Surgery、すなわち顎顔面口腔外科を標榜する米国の口腔外科専門医が歯科医師免許のほかに医師免許を取得することが多くなってきた背景がここに現れています。
日本でも口腔外科という診療科目標榜が認められていますので、ご存じの方が多いかも知れませんが、日本と米国とでは診療行為に多少の違いがあることをご理解ください。
本著の原出筆者が所属する大学のあるインディアナ州やオハイオ州は米国でも中西部と呼ばれ、オハイオ川やミシシッピ川流域で米国を支えている農業が大いに盛んな土地でもあります。
米国中西部は、平均的なアメリカ人の生活が営まれている所ともいわれています。
米国東部や西海岸、あるいは北西部の大都会でも歯科治療システムはほとんど同じですが料金体系に著しい差があります。
これらの地域ではおおむね高額の料金ですので、治療を受ける前にしっかりと尋ねておくことが大切です。
本書には、20世紀から21世紀に移り変わる時代の最新の歯科事情が網羅されています。
しかも、かなり高度な専門知識を要求されると思われる箇所もあります。
本書の歯科医療についての豊富な内容と懇切丁寧な記述が、相談する知り合いの少ない現地では大きな助けとなるはずですし、難しいと思われる専門用語にも十分な解説がありますので、それほど難解ではありません。
出筆者、翻訳者、監修者が、それぞれの立場からこの点には最大の配慮を行ったつもりです。
なかでも、翻訳から編集まで担当された福永玲子さんの長い米国生活経験が、平易な文章の記述に生かされて、読者の理解を大いに助けてくれると思います。
本書は、実際に米国に住んでおられる方、これから住もうとされている方、現在米国で歯の治療を受けておられる方、これから歯の治療を受けたいと思っておられる方にはぜひとも読んでいただきたいとお薦めする実用度の高い1冊です。
そして、日本で歯科治療を受けられる方や、コ・デンタルとして歯科医療の現場で働いておられる方々にも、ぜひともご一読をお薦めします。
監修者である私たち2人は、オハイオ州立大学で同じ時期を過ごし、立場と専門こそ違ったもののオハイオ州立大学歯学部付属病院口腔外科外来で出会いました。
今回の監修は、2人の米国生活の思い出と、はぐくまれた友情の記念碑です。
私たちの米国での経験が少しでも皆様のお役に立てばと思いつつ作業を進めました。
2000年1月30日
監修者
西田紘一
山崎 昇


橋の家の家長
